2021/3/11
「GeForce RTX 3090:TUF-RTX3090-O24G-GAMING」
2021/3/11時点で、GeForce RTXシリーズの頂点に君臨するRTX3090グラフィックボード。
そのRTX3090シリーズでASUSから販売された
「GeForce RTX 3090:TUF-RTX3090-O24G-GAMING」
を購入することができた。
今回はこの「GeForce RTX 3090:TUF-RTX3090-O24G-GAMING」をレビューしていこう。
「GeForce RTX 3090:TUF-RTX3090-O24G-GAMING」について
実機の測定結果の前に、このグラフィックボードについて軽く説明をさせていただこう。
GeForce RTX30シリーズとは?
GeForce RTX 30シリーズは、GeForce RTX 20シリーズに次ぐ、NVIDIAによるPC向けゲーミンググラフィックボード・GeForceシリーズの次世代モデルだ。
GeForce RTX 30 シリーズは第2世代RTXアーキテクチャを採用しており。
最もリアルなレイトレーシンググラフィックスと最先端のAI機能に適したRTコアや第3世代Tensorコアを搭載し、ゲーマーやクリエイターに究極のパフォーマンスを提供することを約束されている。
「RTX3090」「RTX3080」「RTX3070」「RTX3060」と性能が分かれており。数値が大きくなるほど性能が高くなっていく。
GPU | RTX 3090 | RTX 3080 | RTX 3070 | RTX 3060 Ti |
---|---|---|---|---|
NVIDIA アーキテクチャ | Ampere | Ampere | Ampere | Ampere |
プロセス | 8 nm | 8 nm | 8 nm | 8 nm |
トランジスタ数 | 283.0 億 | 283.0 億 | 174.0 億 | 174.0 億 |
ダイサイズ | 628 mm2 | 628 mm2 | 628 mm2 | 628 mm2 |
CUDA Core | 10496 | 8704 | 5888 | 4864 |
Texture Mapping Unit | 328 | 272 | 184 | 152 |
Render Output Unit | 112 | 96 | 96 | 80 |
演算ユニット数 | 82 | 68 | 46 | 38 |
RTコア数 | 82 | 68 | 46 | 38 |
Tensorコア数 | 328 | 272 | 184 | 152 |
L1キャッシュ | 128 KB | 128 KB | 128 KB | 128 KB |
L2キャッシュ | 6.0 MB | 5.0 MB | 4.0 MB | 4.0 MB |
クロック周波数/ ブーストクロック |
1395 MHz/ 1695 MHz |
1440 MHz/ 1710 MHz |
1500 MHz/ 1730 MHz |
1410 MHz/ 1665 MHz |
VRAM | GDDR6X 24 GB | GDDR6X 10 GB | GDDR6 8 GB | GDDR6 8 GB |
VRAMバス | 384 bit | 320 bit | 256 bit | 256 bit |
VRAM帯域幅 | 936.2 GB/s | 760.3 GB/s | 448.0 GB/s | 448.0 GB/s |
PCIe | Gen 4.0 | Gen 4.0 | Gen 4.0 | Gen 4.0 |
SLI対応 | 〇 | X | X | X |
TDP | 350 W | 320 W | 220 W | 200 W |
今回レビューするのは、その最上位に君臨する「GeForce RTX3090」だ。
全ては紹介しきれないが、RTX30シリーズのアップグレードポイントを紹介させていただこう。
①プロセスルールが8nmに変更
プロセスルールが「RTX 20シリーズ」の12nm に対して「RTX 30シリーズ」では8nmにグレードアップしたことで、高性能なGPUを製造することが可能になった。
プロセスルールが12nmから8nmに細かくなったことで同じ面積でも 1.93倍の密度で回路を刻むことができるようになったため、CUDA COREが20シリーズと比べて約2.5倍多くなっている。
まさにコア数の暴力!
②VRAM「GDDR6X」搭載
VRAMも上位2機種には「GDDR6」ではなく「GDDR6X」を採用。
GDDR6では496GB/s までしか出せなかったスピードが
GDDR6Xでは936GB/s にまで速度がブーストされている。
③PCIe GEN4.0対応
現状ではゲーム性能にプラスの影響はないが、クリエイト性能に大きな影響を与えるPCIe GEN4.0になった。
これにより転送速度が強化されている。
④第2世代RTコア搭載
レイトレ(リアルタイムレイトレーシング)は負荷が非常に重たい処理で、RTX 20シリーズ(Turing世代)からレイトレを専用に処理する第1世代の「RTコア」を搭載していた。
30シリーズ(Ampere世代)では、第2世代のRTコアを搭載し、従来の1.5倍以上のレイトレ性能を実現するとうたわれている。
リアルフォトレンダリングなどにも大きな影響を表し、最大で2倍近い速度で処理を行うこともできる。
ちなみにこれらの性能アップには第3世代「Tensorコア」(ディープランニング用のハードウェア)の連携が大きくかかわっている。
他の情報について
ここでは紹介しきれなかった情報は以下のURLから情報を確認してみてほしい。
【公式ページ】
https://www.nvidia.com/ja-jp/geforce/graphics-cards/30-series/rtx-3090/
【製品の公式ページ】
https://www.asus.com/jp/Graphics-Cards/TUF-RTX3090-O24G-GAMING/
【グラフィックボードに関して】
グラフィックボードとは?【自作PCシリーズ:グラフィックボードって何?】
TUF-RTX3090-O24G-GAMINGとは?
ASUSから販売されている「GeForce RTX3090」のOC(オーバークロック)モデルの製品の名称。
ASUSのゲーミングブランドには「ROG」「TUF」の2種類が存在している。
「ROG」
ゲームに勝つためのカスタマイズが施されたシリーズ
比較的高価な値段設定で販売されているのだが、使用しているパーツは最高品質。
コンデンサー1つとっても最高のパーツが使用されている。
ゲーミングに特化しているため、LEDによる装飾も多めで、非常に目を引くデザインをしている。
オーバークロック値は非常に高めに設定されている。
「TUF」
耐久性と信頼性に特化したシリーズ
素材はミリタリーパーツや航空機器パーツが多く採用されている。
信頼性証明書が付属されており、過剰なほどに堅牢で、よほどのことがない限り壊れることがなく非常に安定した運用が約束されている。
オーバークロック値はROGに比べると少しだけだが低い。
今回は後者の「TUF」シリーズのグラフィックボードとなる。
スペックと外観
スペック
メーカー | ASUS |
---|---|
製品名 | GeForce RTX 3090:TUF-RTX3090-O24G-GAMING |
寸法 | 299 x 1270 x 520 mm |
重量 | 1380g |
グラフィックエンジン | NVIDIA® GeForce RTX™ 3090 |
Bus Standard | PCI Express 4.0 |
OpenGL | OpenGL®4.6 |
ビデオメモリー | 24GB GDDR6X |
エンジンクロック |
OC mode : 1770 MHz (Boost Clock) Gaming mode : 1740 MHz (Boost Clock) |
CUDA Core | 10496 |
メモリースピード | 19.5 Gbps |
メモリーインターフェース | 384ビット |
対応解像度 | デジタル最大解像度7680×4320 |
インターフェース |
ネイティブHDMI 2.1×2 ネイティブDisplayPort 1.4a×3 |
NVlink/ Crossfire Support | 対応 |
推奨電源 | 850W |
電源コネクタ | 2 x 8-pin |
価格 | 約250,000 |
外観
【箱:表】
【箱:裏】
【内箱】
【本体:開封】
【表側】
アルミ製の装甲がミリタリーデザインで非常に美しいデザインをしている。
LEDも控えめで私個人の感想としては非常にうれしいポイントだ。
【裏側】
裏面もアルミバックプレートを採用して強度が確保されている。
また、このプレートには放熱用の穴も設計に組み込まれており、冷却の底上げをする役割も持っている。
【接続端子側】
ネイティブHDMI 2.1×2
ネイティブDisplayPort 1.4a×3
っと豊富な接続端子を有している。
【側面1】
補助電源は2 x 8-pinの構成
51.7mmの厚みで2.7スロット分とかなり厚い作りとなっている
【側面2】
NVlink/ Crossfire Support用のコネクタを搭載
【ファン】
90mmのAXIAL-TECHファンが3つ採用されている。さらに
乱流を低減するセンターファン逆回転構造かつ、高耐久性なダブルボールベアリングによる長寿命設計と非常に強力な冷却性能と耐久性を持っている。
【GPUヒートシンク】
TDP300W越えの発熱に対応するために、専用のヒートシンクと大型放熱フィンを採用。
これにより冷却性能をさらに底上げしている。
【コンデンサ】
MLCC(最高級コンデンサ)を採用し、GPUブラケットが軍用SUSが採用されている。
ここもTUFらしい堅牢な設計となっている。
【内容品】
取り付け
かなりの重量物のため、セットするとグラフィックボードが自重で傾いてしまう。
対策として以下のようなサポートステイが必須となる。
マザーボードへの負担はこれで確実に防止しよう。
スロットは3スロットを占有するため、キャプチャーボードやサウンドボードを使用する際は注意が必要となる。
実機使用結果
ここらからは私が実際に1カ月、ベンチマークの結果と、仕事で実際に使用した結果を表記していく。
今回測定に使ったパソコン構成は以下の通り。
パーツ | 製品名 | 参考価格 |
---|---|---|
CPU |
Ryzen9 5950X 16コア / 32スレッド / 4.90 GHz / Socket AM4 |
106.480円〜 |
マザーボード |
MSI MEG X570 UNIFY ATX / AMD X570 / Socket AM4 |
33,000円〜 |
メモリ |
SMD4-U64G88H-32AA-D DDR4-3200 / 64GB(32GBx2枚) / ネイティブ / |
29,980円〜 |
CPUクーラー |
KRAKEN X73 120mmファン×3 / 簡易水冷 / |
24.680円〜 |
SSD |
970 EVO Plus 512GB NVMe SSD / 600 TBW / |
12,400円〜 |
SSD |
ADATA SX8200PNP 1TB NVMe SSD / 600 TBW / |
14,000円〜 |
グラフィックボード |
GeForce RTX 3090:TUF-RTX3090-O24G-GAMING 24GB ASUS製 / トリプルファン / |
250,000円〜 |
ATX電源ユニット |
SuperFlower LEADEX V Gold 容量850W / 80+ Gold認証 / フルモジュラー式 / |
15,000円〜 |
ケース |
NZXT H710B ミドルタワーATX PCケース / NZXT / |
15,000円〜 |
ファン |
ケース付属品 前面に3個(120mm) / 背面に1個(140mm) |
ケース付属 |
OS |
Windows 10 Home 64bit パッケージ版 / インストールUSB付属 |
18,000円〜 |
「GeForce RTX 3090:TUF-RTX3090-O24G-GAMING 24GB」はPCIe GEN4に対応しているため、マザーボードとCPUもPCIe GEN4完全対応の構成で対応した。
これでグラフィックボードの性能を100%発揮することができるようになるはずだ。
blender 2.92 ベンチマーク
クリエイティブベンチで代表的な「blender 2.92 ベンチマーク」での結果は表のとおり。
CUDA Coreが一気に増えた影響もあり、かなりの数値をたたき出している。
レンダリングは爆速と言ってもいいだろう。
【OpenCL】LuxMark V3.1 ベンチマーク
OpenCLによるGPUレンダリング LuxMark V3.1 ベンチマークでもかなり高い数値をたたき出した。
RTX 20シリーズとの格差は約2倍ほど。。。。。
「ちもろぐ」のやかもち氏がRTX3080のテストでLuxball HDRの結果が71173ポイント。
RTX3090は86060ポイントで、RTX3080との差は≒15000ポイントの差となっている。
【OpenGL】SPECviewperf 13 ベンチマーク
OpenGLGPUレンダリング SPECviewperf 13 ベンチマークも同じく非常に優秀な数値をたたき出していた。
やかもち氏の測定の通り、Solidworksの伸びはそこまでではないが、
複雑なモデリング表現が多い「3ds Max」と「Maya」は順当に伸びていた。
この結果だけ見れば、GeForceシリーズでここまでしっかり動くのであれば、無理してQuadro RTXシリーズを導入しなくてもよさそうに見える。
3D-CAD「Rhino ceros」での使用感
ここからは実機で、実際に仕事で使用してみた結果を表記していく。
CPU性能以外にもGPU性能も重要になってくる3D-CAD「Rhino ceros」。
まずは100MBの3Dモデルから確認
問題なく操作可能。
しかし100MB程度の小規模モデルデータで動くのは当然。
さらに負荷をかけて2GBの3Dモデルデータを投下してみたが
大規模データも問題なく操作、編集作業が可能だった。
OpenGL特化の3DCADで、ここまできれいに動くと思ってもいなかったのでかなりびっくりしている。
もちろんモデルの表示「ワイヤーフレーム」「シェーディング」「レンダリング」「ゴースト」「レイトレース」全て問題なしだった。
この結果から、今の時代、無理してQuadro RTXシリーズを購入する必要がないといえるだろう。
GeForceシリーズでも十分に戦うことができる。
少し悩むポイントとしてはVRAMの容量だろうか?
RTX3080 と RTX3090でVRAMの量がかなり違うため、購入者を悩ませる一つのポイントになってくる。
レンダリングソフト「V-rey」での使用感
最近のアップデートでレイトレ(レイトレーシング)の性能が追加+機能向上されたレンダリングソフト「V-rey」。
RTX3090はNVIDIA アーキテクチャがAmpere世代になり、CUDA Core1万越え&第2世代RTコア搭載なので、レンダリングソフト「V-rey」との相性はかなりいいはずなのだ。
こちらも実測結果を見て行こう。
モデル上ではテクスチャやライティングを完全に再現した3Dモデルを採用
かなりデータ容量が多いものとなっている
まずは1枚目
品質設定:最高品質
3分35.02秒
草や木、太陽光や照明のレンダリングでかなり重い情報となっているが、かなり高速でレンダリングが完了した。
十分レンダリング性能が高いといえるだろう。
念のためもう1枚レンダリングテストをしてみた。
品質設定:最高品質
4分36.77秒
クッションのテクスチャや、草、ガラス、ライティングでさらに重いものとなっているが、こちらも全く問題ない速度でレンダリングが完了した。
CUDA Core 10496は伊達ではないということだ。
トライ&エラーの回数を増やすことができるのはクリエイターとして非常に大きいメリットだ。
【結論】クリエイター用グラボとしては最高
長々と書き込んでしまったが、結論から言えば、
「クリエイター用グラボとしては最高」と言えるだろう。
驚いたのがOpenGL OpenCLの性能もかなり高いということだ。
ソフトウェア上で性能が半減しているとはいえ、十分すぎるほどに性能が高すぎる。
特にレンダリング機能に関してはずば抜けており、かなり高速でレンダリングが仕上がる。
CADでも同等の最高の条件で使用することができるため、
「A6000:63万円」の導入が厳しいユーザーにとっては間違いなく買いのグラフィックボードだ。
フリーランスの方や、個人事業主、中小企業の方に、本当にお勧めすることができる グラフィックボードだと断言してもいいだろう。
あなたの環境にGeForce RTX 3090シリーズ「TUF-RTX3090-O24G-GAMING」を導入するのはいかがだろうか?
あなたのクリエイターライフを間違いなく最高の領域に持って行ってくれることは間違いない!