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これが「至高の一台」!ELSAのハイエンドモバイルワークステーション「ELSA VELUGA A5000 G3-17」のレビュー

2022/6/22

「モバイルワークステーション」

今回は、株式会社ELSA(エルザジャパン)が販売する、ハイエンドなモバイルワークステーション「ELSA VELUGA A5000 G3-17」を手に入れたのでレビューさせていただく。

「ELSA VELUGA G3」シリーズは、株式会社ELSA(エルザジャパン)が、今年の2月から販売を開始しているモバイルワークステーションのシリーズだ。
モバイルワークステーションの名にふさわしいスペックと、動作保証が約束されており、ヘビィな仕事でパソコンを使うユーザーであれば、是非手に取ってほしいラップトップだ。

結論から言うと、「至高の一台」と言わざるを得ない。
スペックはもちろんのこと、キーボード配列や排熱処理、インターフェースの配置場所、ストレージの設定など、何もかもが計算し尽くされている。
モバイルならではの専用設計が非常に細かく再現されており、ユーザーのクリエイティブな作業を全力でサポートしてくれた。

今回、実際に私の仕事で1ヶ月間使用させていただき、このハイエンドなモバイルワークステーション「ELSA VELUGA A5000 G3-17」の徹底レビューをしていく。

さっそく、記事にまとめていこう。

スペック・外観

スペック

メーカー ELSA(エルザ・ジャパン)
製品名 ELSA VELUGA A5000 G3-17
製品コード:ELVG317-i9A5K6412SWP1R
サイズ 397 x 284 x 25.9 mm
重量 2.9kg
CPU Core i9-11980HK(8コア/16スレッド)
動作クロック:ベース2.6/ターボ5.0GHz
GPU NVIDIA RTX A5000 Laptop
VRAM:16GB GDDR6
CUDAコア数:6144
Tensor Core数:192(第3世代)
RTコア数48(第2世代)
RAM 64GB(32GB x 2)
DDR4-3200 SDRAM SO-DIMM
ストレージ 2TB(PCI Express Gen 4 1TB×1、PCI Express Gen 3 1TB×1)
モニター 17.3インチ 液晶パネル 
3840×2160(リフレッシュレート120Hz)、DCI-P3 100%
インターフェース ・HDMI 2.1 × 1
・Mini DisplayPort 1.4 × 1
・Thunderbolt 4 × 1
・USB Type-C × 1(USB 3.2 Gen 2)
・USB Standard-A × 1(USB 3.2 Gen 2)
・USB Standard-A × 2(USB 3.2 Gen 1)
・SD7.0(SD Express規格準拠)×1
・Φ3.5mm4極マイク/ヘッドホン コンボポート×1
その他 ・FHDカメラ内蔵
・タッチパッド部左上に指紋センサー
・ケンジントンロック
バッテリー 99.9Whr
稼働時間4.5時間(カタログスペック上)
実機フル稼働時:1時間以内
価格 69万6,000円

さらに詳しい詳細はこちら

外観

【表面】

【左側面】

【右側面】

【後側】

【裏面】

【電源コード】

【付属品】

「ELSA VELUGA A5000 G3-17」の注目ポイント

では、早速この「ELSA VELUGA A5000 G3-17」の注目すべきポイントを見ていこう。

強力なモバイル専用CPU「Core i9-11980HK」搭載


CPUは強力なモバイル専用CPU「Core i9-11980HK」が搭載されている。
モバイルワークステーション最上位CPUの「Xeon W-11955M」に性能面で匹敵するほどのCPUだ。

動作クロックとしては、ベース2.6/ターボ5.0GHzとなっており、8コア/16スレッドの仕様となっている。
10時間ほど、3DCAD等で負荷を与え続けて作業していたが、パフォーマンスはしっかりと維持されて動作していた。

実際に動作させてみて分かったが、シングルコアでの性能が大きく関わってくるCADソフトでも、かなり強力な性能が期待できる。

モバイル機としてはこれ以上にないほどのスペックを有しており、これで捌けないソフトウェアはないと感じた。

プロ向けハイエンドGPU「NVIDIA RTX A5000 Laptop」搭載


GPU(グラフィックス)には新世代高性能プロ向けハイエンドGPUとして「NVIDIA RTX A5000 Laptop」が搭載。

ラップトップAシリーズの最高位ということで、ユーザーを最高の条件でサポートしてくれた。

こちらもCPU同様に10時間ほど、3DCADやレンダリングソフト(V-ray)などで高い負荷をかけ続けて作業したが、全く問題なくスムーズに動作してくれていた。

CUDAコアが多いので、レンダリング作業は特にストレスなく処理できており、RTレンダリングもかなりの速度で完了できた。

GPURAMに関しても、モバイル機か?っと疑うほど大容量な16GBを搭載しており、モバイルVR環境で問題なく動作を確保することができていた。

ちなみに以下の表はRTX A5000 と RTX A3000の比較だ。
VRAMに10GBも差が出てきており、VRの活用にA5000が、かなり有効であることがわかる。

RTX A5000
Laptop
RTX A3000
Laptop
メモリ容量 16GB GDDR6 6GB GDDR6
CUDAコア数 6144 4096
Tensorコア数 192(第3世代) 128(第3世代)
RTコア数 48(第2世代) 32(第2世代)

ディスクトップのように多彩なインターフェース

ラップトップ両側にはデスクトップワークステーション同様の多彩なインターフェースを搭載している。
SDカードリーダーはもちろんのこと、各ジェネレーションを揃えたUSBーAポートが3つに、USB-C Gen.2が1つ付属している。
またケンジントンロック穴も搭載しており、物理的なパソコンの盗難を防げる処理が施されている。


さらにラップトップの背面には入出力ポートが搭載されており、外部モニターへの出力や、LANポート・ACアダプタポートがまとめられている。
出力系統が全て背面にまとめられているので、側面がすっきりする設計だ。これは非常に嬉しい配慮だった。

映像出力関係の内、「Mini DisplayPort」と「HDMI 2.1」はRTX A 5000から映像出力される。
ハイパワーな映像処理(8K出力やVR機器接続)等が求められる場では、この2ポートを使用するのがいいだろう。

Thunderbolt(USB-C)からの映像出力はCPUの内蔵グラフィックスから出力される仕組みになっている。
試しに自宅の5K2Kディスプレイ(超高精細ウルトラワイドモニター)に接続したところ、問題なく5K2Kで出力可能だった。

超大型に設計された排気口


他社のラップトップモバイルワークステーションを比べるとデメリットになる厚さだが、これには理由があった。

他のメーカーのワークステーションは薄くても独自の冷却ファンを活用して、筐体内の熱を放出する設計となっているが、
「ELSA VELUGA G3」はそもそもの排気口のスリットが大きく設計されており、冷却ファンによるベースとなる排熱効率を向上。

ラップトップ裏側のスリットも可能な限り多く設けられているほか、ラップトップの裏の吸気量を多くするために滑り止めを兼任している凸ゴムが少し高めになっている。
左右・背面・下と冷却の効率を高める設計がしっかりとしている。

実際に仕事で高い負荷をかけ続けたが、しっかりっと冷却してくれており、途中で動作がカクつくこともなかった。

1TBづつに分けられたストレージ


嬉しいポイントとしてストレージの設計がある。
他のメーカーだとそれぞれのストレージがレイド設定されているパターンが多く、データの整理や、ストレージの入れ替えが面倒な仕様になっているものが多いのだが、
「ELSA VELUGA G3」は1TB+1TBで合計2TBのストーレージが用意されており、レイド設定はされていない。
つまり別々のストレージとして設定されているのだ。

メインストレージの1TBは、PCI Express Gen 4で接続されており、速度の求められるOSやアプリケーションを置いておくストレージに設定されている。

残りのサブストレージの1TBは、PCI Express Gen 3で接続されており、作業データの保存用ストレージとして設定されいる。

これは実際にワークステーションを触っている人でなければ、なかなか気づかないポイントだ。
それをメーカーの方でプリセットしてくれているのは非常にありがたいっと感じた。

モバイル機なのに、フルキーボード


ラップトップで忘れてはいけないのが、作業性だ。
多くのラップトップはその大きさゆえにテンキーが排除されてしまうが、、、、「ELSA VELUGA A5000 G3-17」はその大きさゆえにキーボードがフル仕様となっている。

数値を打ち込む機会が多い設計ソフトは特に親和性が高く、非常に利便性が高かった。
またキーボードはLEDライティングが対応されており、視認性も問題ない。

そして、嬉しい配慮がここにもう一つ。

ラップトップを閉じた時に、ディスプレイとキーボードが接しないという点だ。
これはディスプレイにキーボードを触った手の油が付着することがなく、ディスプレイをきれいに維持することができる。

AppleのMacBookの場合、キーボードとディスプレイが密着して、閉じる度にディスプレイが汚れると言うジレンマが発生し、毎回ディスプレイ掃除に駆り出されていたのだが、、、
「ELSA VELUGA A5000 G3-17」には、それが発生しない。個人的にとても嬉しい設計だった。

「ELSA VELUGA A5000 G3-17」の注意ポイント

ここでは、「ELSA VELUGA A5000 G3-17」の注意すべきポイントを表記させていただこう。
ハイエンドならではの注意するポイントがいくつかあるため、ここをしっかり理解してほしい。

ハイパワー過ぎて、バッテリ持ちは1時間


ハイパワーなラップトップ全般に言える話だが、フル稼働時はバッテリーが1時間ほどしか持たない。
CPUだけでなく、GPUまでがハイエンドかつ、ハイパワーな代物なので当然のことではある。
なので、稼働時は基本的に電源を供給した状態で作業をすることが望ましい。

ただし、これはフル稼働時での1時間だ。

もう少しソフトな作業をするなら製品カタログ通り4時間持つかもしれないが、これほどのスペックを積んだワークステーションで負荷が低い作業はほとんどないと考える。

なので、動作時間はフル稼働で1時間と知っておくといいだろう。

電源アダプターも意外と大きい


これほどのハイスペックワークステーションだ。
当然ながら、電源アダプターも最大級。

マウスと並べてもわかる通り、かなりのサイズ感だ。

最初の注意点で説明している通り、1時間ほどしか持たないため電源アダプターの持ち歩きも必須になってくる。

17インチのサイズ感を知ろう!


上記の写真は「(左)ELSA VELUGA A5000 G3-17」と「(右)MacBook Pro13インチ」を並べた際のものだ。

これほどまでにサイズ感が違ってくる。
とくに厚みは気にしておくべきだろう。

場合によっては、現在使用されているカバンでは入らないなどの問題が発生する可能性もある。

冷却ファンの騒音はやはり大きめ

これは、私のtwitterで上げさせていただいた動画だ。まずはこちらを見ていただきたい。
リアルタイムレンダリングソフトを稼働させた状態で、冷却ファンがどれほどの騒音・風の強さで稼働しているかがわかる動画になっている。

扇風機の中風ぐらいの騒音で稼働している。
やはり、このクラスになると冷却ファンの騒音問題は出てくる。

この騒音問題はしっかり理解しておく必要がある。

クリエイティブ性能調査:ベンチマーク計測

ここからは「ELSA VELUGA A5000 G3-17」のベンチマーク結果を紹介していこう。

ベンチマーク:CINE BENCH R23

まずは言わずと知れたCINE BENCH R23でCPUの性能を確認
10分間計測を行った

結果
マルチ性能は10152pts
シングル性能は1551pts

やはりモバイル機としてはかなり優秀な数値となった。

シングルでは現行のCPUの中でぶっちぎりの性能。
マルチはデスクトップCPUのコア数と比べると性能を劣るものの、ラップトップCPUとしては「Xeon W-11955M」と同等の性能となった。

マルチ・シングル共にデスクトップCPUと遜色ない性能と見ていいだろう。

ベンチマーク:blender

blenderでのベンチマーク結果は以下の通り

ベンチマーク:SPECviewperf13

Open GL(描画処理)の性能をポイント化するSPECviewperf13でのベンチマーク結果は以下の通り

「RTX3090デスクトップ」と、「RTX A 5000 ラップトップ」で性能比較結果となる。
デスクトップとラップトップのそれぞれのハイエンド同士の比較だ。

RTX 3090はdirectXにのみ特化しているたゲーム向け
RTX A 5000はQuadroの後継機になるため、OPEN GLに特化。

ベンチマークの結果だけ見ると、少しちぐはぐした結果とみえる。3DS MAXはRTX3090と比べると低く見えるが、十分に動作するポイント数だ。

ベンチマーク:LuxMark v3.1

Open CLによるGPUレンダリング性能をポイント化するLuxMark v3.1でのベンチマーク結果は以下の通り

こちらはCUDAコアによる数が、かかわっている可能性もありRTX 3090がポイント数が上回った。
だが、「シンプルな画像ほど数値に差が出て、複雑な画像ほど数値が大差がなくなっていく」っという結果となっている。

ちなみにRTX 3090とのスペック差は以下の通り

RTX 3090 Desktop RTX A 5000 Laptop
NVIDIA アーキテクチャ Ampere Ampere
CUDAコア数 10496 6144
Tensorコア 第3世代 第3世代
RTコア 第2世代 第2世代
メモリー容量 GDDR6X-24GB GDDR6-16GB

そもそもデスクトップ用GPUと、ラップトップ用GPUではステージが違うかもしれないが、一つの比較っという認識程度で見ていただけると助かる。

クリエイティブソフト稼働結果

ここではベンチマークソフトではなく、実際のソフトで稼働した際の使用感を確認。

3DCAD:「Rhino ceros ver-7」

Rhinocerosは、多くの建築家に使用されている3DCADだ。
ザハ・ハディッド氏も活用していたことから、とても人気が出ている。

試しにGrasshopperでプログラミング配置した、鉄骨群をモデリングし動作を確認

結果、スムーズに動作しカクつきなどの動作遅延も発生しなかった。
コマンドによる演算処理も非常に早く、ストレスに感じることは少ない。

フルキーボードによる作業性の恩恵もプラスに働き、かなり快適に操作することができると言える。

レンダリングソフト:「V-ray ver-5」

レンダリングソフトとして有名な「Vーray」もテストを行った。
結果として言えば、「非常に快適」。

4K画像のレンダリング出力も、難なくこなしており出力スピードも非常に早いものだった。
CUDAレンダリング/RTレンダリング両方とも行ったが、十分なスピード感。
トライ&エラーの回数を増やすための処理スピードはなんら問題ないと言える。

モバイル機でありながら、CUDAコア6144もあるのがかなり強力に感じた。

スペック的な話(処理能力)は問題ないが、「V-ray」を使い、作業性を高める上で非常重要なことがある。
それが、モバイルモニターの導入だ。

V-rayはソフトの都合上、「作業画面」と「レンダリング結果画面」の2画面が必要になってくる。
その結果、メインの画面で「作業画面」、サブの画面で「レンダリング結果」を見ると言うのが最も効率的な方法と言える。
導入する際はぜひ参考にしてほしい。

ちなみに私が使用しているモバイルモニターはこちらだ。

ゲームエンジン「Unreal Engine」

「Unreal Engine」の方も確認を行った。
結果「非常に快適」っといっていいだろう。

カクツキは全くと言っていいほど無く、作業性は非常に良好だった。

VR出力も試してみた。
使用するVRHMDは「VIVE FOCUS3」だ。
USB-Cでワークステーション側と有線接続を行い動作検証を行う。

一時的なカクツキはあったが、時間と共に動作は安定していき、問題なし。
展示場などの、モバイルVR環境構築も難なくこなせることがわかった。

VR機種によってはMini Displayportが使えるとはずなので、より安定したVR体験をする場合はそちらを使用するのがいいだろう。

【結論】「至高の一台」。プロクリエイターが手にするべき、最強のハイエンドモバイルワークステーション

「文句無しに最強」

デスクトップワークステーションに肩を並べるハイエンドワークステーションというべきプロダクトだ。

スペック意外にも、細かい配慮が組み込まれており、使用するユーザーは煩わしさを感じることはほとんどないだろう。
日本メーカーからのモバイルワークステーションということで信頼性も非常に高い点も素晴らしい。

ニューノーマルに代表される「新しい働き方」に対応するマシンパワーと可搬性の両方を兼ね備えた至高の一台。

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