2021/2/8
2021年になり、40インチ型5K2Kモニターが2社から発表されました。
DELLからは、UltraSharpシリーズの「U4021QW」
LGからは、UltraWideモニターシリーズの「40WP95C」
クリエイターなら何としても手に入れたい超高精細モニター。
今回はこちらの2機種を見比べて行こう。
比較表
メーカー | DELL | LG |
---|---|---|
型番 | U4021QW | 40WP95C |
解像度 | 5120 x 2160px | 5120 x 2160px |
パネルサイズ | 40インチ | 40インチ |
パネル種類 | 湾曲 2500R IPS液晶 |
湾曲 R値不明 NanoIPS |
アスペクト比 | 21:9 | 21:9 |
リフレッシュレート | 60Hz | 60Hz ピーク時:72Hz |
応答時間 | 5ms | 5ms |
明暗センサー | 無し | 有り |
色域 | ・DCI-P3:98% ・sRGB:100% ・Rec.709 |
・DCI-P3:98% ・sRGB:135% ・HDR10 |
入力端子 | 【モニター裏】 ・USB-C(Thunderbolt 3 90W) x 1 ・DisplayPort 1.4 x 1 ・HDMI 2.0 x 2 ・USB Type-A x 3 ・USB Type-B x 1 ・3.5mmステレオ ・Gigabit Ethernet 【モニター下】 ・USB-C(15W) ・USB Type-A |
【モニター裏】 ・USB-C(Thunderbolt 4 90W)x1 ・USB-C(Thunderbolt 4 15W)x1 ・DisplayPort×1 ・HDMI×2 【モニター側面】 ・USB-A×2 |
調整幅 | ・Height:120mm ・Tilt:-5~21° ・Swivel:-15~15° |
・Height:110mm ・Tilt:-5~20° ・Swivel:-15~15° |
スピーカー | デュアル9Wスピーカー | デュアル10Wスピーカー |
VESAマウント | 100x100mm対応 | 恐らく100x100mm対応 |
値段 | 2,099.99ドル (日本円:200,000円オーバー) |
2/8時点では不明 |
それぞれの違いと、ややこしい部分
パネルの種類が違う
意外と見落としがちなポイントだが、
DELLの「U4021QW」はIPSパネル
LGの「40WP95C」はNanoIPSパネル
と、使用しているパネルの種類が若干違う。
「IPSパネル」と「NanoIPSパネル」の違いは、色空間の広さの違いだ。
色域をsRGBの値を見てもらうとわかると思うが
「IPSは100%」、「NanoIPSは135%」と大きな色域差を持っている。
「NanoIPS」はLG社の開発技術だ。
「NanoIPS」は、普通のIPSと比べて発色が鮮やかで自然な色彩表現が特長となっている。
1ナノメートル単位の微細な粒子が黄色やオレンジ色など過剰な光波長を吸収することで正確な赤を引き出し、画面上の色の濃さと純度を大幅に向上させることができる。
「じゃあ LGの「40WP95C」の方が映像が美しいのか?」っと言われると一概にそういうわけではない。
のちに紹介する色域で少しお話させていただこう。
色域の表示の違い
色域をもう一度確認してみよう
【DELL:U4021QW】
・DCI-P3:98%
・sRGB:100%
・Rec.709
【LG:40WP95C】
・DCI-P3:98%
・sRGB:135%
・HDR10
DCI-P3:98%の項目は両機とも同じ数値をたたき出している。
違うのは先ほどパネルの違いで話をさせてもらったsRGBの範囲と
「Rec.709」「HDR10」の項目だ。
しかし重要なのは、両機とも「DCI-P3範囲を98%カバーしている」ということだ。
DCI-P3とは、米国の映画制作会社で構成される業界団体Digital Cinema Initiatives(DCI)で定められたデジタルシネマ規格のことだ。
映画撮影に使われるカラーフィルムの色域に対応し、比較的広範囲の色域を表現できる。
HDRコンテンツに関して現在話題になっているカラースペースはこの「DCI-P3」であり、
HDRカラーを適切に処理するために、このカラースペースを少なくとも90%をカバーする必要があるとされている。
つまり両機とも「DCI-P3範囲を98%カバー」しているため、十分な色域をカバーしておりクリエイト用途として十分な性能を持っているということである。
さらに詳しく見て行こう
下の表を確認してほしい。
黒い実線が「DCI-P3」の範囲を表し
黒い点線が「sRGB」の範囲を表している。
「DCI-P3:98%」とは、「DCI-P3」の範囲を、どれだけ別のカラースペースでカバーするのか?というのが重要になってくる。
・「DELL:U4021QW」はsRGB:100%とRec.709で、「DCI-P3:98%」の領域をカバー
・「LG:40WP95C」はsRGB:135%で「DCI-P3:98%」の領域をカバー
結論を言うと、表記している色域規格は違えども、結果「DCI-P3」という厳しい規格範囲を98%カバーしているため、両機とも同レベルの色表現力を持っているということだ。
ちなみに「Rec.709」は下記の色域を示している。
ITU-Rが定めた色域・ガンマを再現できるHDTV向けのスタジオ規格のことで、現行のテレビ放送はこの色域を基準としている。
色域はsRGBと同一だがが、ガンマ値は異なるため再現できる色は異なる。
「HDR10」とは
「High Dynamic Range」(ハイ・ダイナミック・レンジ)の略だ。
これに関しては説明がどうしても長くなってしまうので こちら のページで独自に確認をしてみてほしい。
リフレッシュレートの違い
リフレッシュレートとは、映像を表示する側(モニター)が1秒間に表示する数だ。
基本的に、動画や映像は画像の連続で、その画像を素早く連続で表示することで視覚的な動きを表現している。
この数値30・60・120・144・240FPSと様々で、一般的な数値が60FPSとなっている。
※60FPS=1秒間に60枚の画像を流すことが出来ということになる。
スペックを確認すると、
「DELL:U4021QW」は60Hz
「LG:40WP95C」は60Hz(ピーク時:72Hz)
と、なっていてる。
ピーク時に限り「LG:40WP95C」の方は72Hz出るとのこと
(海外サイトの調べなので正規品の確認は不明)
正直、クリエイト用途に関していってしまえば、60Hzも出ていれば十分な速度といえる。
ゲームでFPSなど高リフレッシュレートのゲームをしたいのであれば、別のモニターを選ぶべきだ。
明暗センサーの有無
「LG:40WP95C」のみ明暗センサーが備わっている。
「DELL:U4021QW」にはその明暗センサーが備わっていない。
画面内の明るさを自動調整してくれる機能で非常に便利な機能の一つだ。
いちいち画面の設定をいじらなくて良いのは非常にうれしいポイント
入力端子の違い
これは圧倒的に「DELL:U4021QW」が多い。
USB Type-B をPCに接続することで、USB Type-Aを4つ使用することができるようになる。
クリエイターデバイスは未だにUSB Type-Aに依存している製品が多いのでこれはこれは非常に好印象と言えるだろう。
使う人は少ないかもしれないが3.5mmステレオジャックも「DELL:U4021QW」に付属している。
入力端子の位置の違い
両機それぞれ、接続端子の位置が少し違う。
これはケーブルマネジメントに非常に重要なポイントだ。
「DELL:U4021QW」は裏面のVESAの下側
「LG:40WP95C」は裏面のVESAの横側
アクセスしやすいのは間違いなく「LG:40WP95C」だろう。
特にモニターアームを採用するのであれば、いちいち上にケーブルを持っていく必要がないので後々のケーブル調整も楽になる。
最初のセッティングでは、間違いなくやりやすくなる。
ただし、裏が見えるように設置する場合は配線が全面的に見えてしまうので、注意が必要。
日々使うUSBのアクセスで使いやすそうなのは、「DELL:U4021QW」だ。
モニターの横側ではなく、下側に設置されている。横側は意外とサブモニターを置いてしまったり、壁があったりと接続に困るパターンが多い。
しかし、下側にあることでアクセスが容易になり、目視できるので抜き差しが簡単に行える。
かなり考えられた仕様になっていると個人的に感じた。
専用ソフトウェアの有無
「DELL:U4021QW」には専用ソフトウェア「Dell Display Manager」が存在する。
これはウィンドウ パーティションやmウィンドウをカスタマイズする機能を使用して1つまたは複数の画面に複数のアプリケーションを簡単に並べてタイル表示することができる機能だ。
大画面になると必須になってくる機能で、これが使えるのは非常に心強い。
「LG:40WP95C」は現在PVP系のソフトは公表がされてないため、作成はされてないと予想。。。。
モニターデザイン
ここは個人的な主観が大きくなる部分だ。
「DELL:U4021QW」
「LG:40WP95C」
私個人の感じ方とすれば。
「DELL:U4021QW」はMacユーザーに合いそうなデザインをしている。
特に裏デザインがシンプルでケーブルが全て下向きに隠れるため、裏から見てスッキリとした印象が得られる。
シルバーというカラーリングも非常にAppleのイメージが強く感じる。
モニタースタンドもシンプルで良い形だと思う。
「LG:40WP95C」は白モニターということで、白を基調として部屋に非常に合いそうなデザインをしている。
モニタースタンドもシャープな形状をしていてアクセントとしてとても目を引きそうだ。
調整幅の違い
両機とも非常に広い範囲の調整幅を有している。
若干「DELL:U4021QW」の方がHeightの調整幅が10mm大きい。
しかし、モニターアームを採用することでこれらはカバーすることができるので、調整幅を増やしたい方はモニターアームを導入するのがいいだろう。
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【結論】性能は互角!決め手はデザインと値段のみとなりそう
さて いろいろと見てきて悩む方も多いだろう。
PVPソフトウェアがDELLのみに実装されてはいるが、
モニター自体の性能は互角なので、決め手はデザインと値段となりそうだ。
特に値段は気になるポイントだ。LGが値段発表をしていないため、こちらが安ければ多くの方がLGに流れるのでは?っと予想している。
非常に行く末が気になる。。。。。