2021/7/24
「VR(バーチャル・リアリティ)」
VRカンファレンス「VIVECON 2021」にて、HTC社が発表した、新型PC用VRヘッドセット「HTC VIVE Pro 2」が発売されて早くも1カ月経とうとしている。
HTCの新型VRが、5K解像度のVRヘッドセットを発売ということで非常に多くの方が注目された製品だ。
かくいう私も発売日から1週間後に入手することが出来たため、ここ2週間、仕事や遊びでガッツリ使用させてもらっている。
今日はそのHTCの新型VRヘッドセット「HTC VIVE Pro 2」の2週間の使用レビュー結果を記載していこう。
スペック・外観
スペック
メーカー | HTC |
---|---|
製品名 | VIVE Pro 2 |
スクリーン | 液晶(デュアル RGB 低残光性 LCD) |
解像度 | 5K(両眼 4896 x 2448 ピクセル) 片眼 2448 × 2448 ピクセル |
リフレッシュレート | 90/120 Hz |
視野角 | 最高 120° |
オーディオ | Hi-Res 認証済みヘッドセット |
入力 | 内蔵デュアルマイク |
価格 | 108,000 |
更に詳しいスペックはこちらのメーカーページにて
外観
【箱】
【本体:正面】
【本体:側面】
【本体:背面】
【本体:レンズ】
今までのレンズ形状と異なり、楕円形の形状が採用されている。
【本体:オーディオ】
Vive Deluxe Audio Strapと同じ形状のオーディオになっている。
【本体:レンズ距離調整付きアイレリーフ】
摘みが固くなっており、誤操作で距離が変わらないようになっている。
【付属品】
【保証書】
「VIVE Pro 2」注目ポイント
高画質な5K
やはり一番の目玉と言えばこの「5K」解像度の採用で間違いないだろう。
1つ前のVRヘッドセット「VIVE PRO」は両目合わせて2880x1600
今回の「VIVE PRO 2」は両目合わせて4896 x 2448と驚異の進化を遂げている。
私は初代「HTC VIVE」からの乗り換えで約2.5倍ほどの画質アップとなっている。
最初に見た時は、あまりの解像度の高さに声を上げてしまった。
実際に仕事で使用してみたのだが、3Dモデル上の、壁紙のテクスチャーに設定している凹凸がはっきりと確認できるほどだ!
(下の画像の壁紙の模様・凹凸がはっきりと確認ができた。)
このことから5K解像度の恩恵は、多くのカテゴリーで恩恵を得ることが出来ると言える。
スクリーンドア効果を感じない
2点目の注目ポイントとしてスクリーンドア効果が感じられない点が挙げられる。
スクリーンドア効果とはモニタードットの網目のことを示している。
今まで初代のHTC VIVEを使っていたので、このスクリーンドア効果の無さには度肝を抜かれてしまった。
5K解像度が100%生きる非常に素晴らしい点であると言えるだろう。
このスクリーンドア効果がないとどうなるのか?
これは様々なメリットが挙げられる。中でも
・VR上で文字を読み取ることが出来る
・VRでの没入感を高められる。
この2点はかなり恩恵が大きと言えるだろう。
ヘッドの固定は完璧
VRヘッドセットを装着していて気になるのが、ホールド力だろう。
こちらはVIVE Proシリーズからしっかりと形状が受け継がれており、間違いないホールド力が約束されている。
初代HTC VIVEは別途アダプター(Vive Deluxe Audio Strap)を購入してホールド力を補っていたのだが、わざわざそんなことをする必要が無くなっている。
また、「VIVE Pro 2」を固定した際の重心設計が素晴らしく、装着してもある程度の重さは感じるが、かなり付け心地がよく感じられた。
開発者・設計者方たちの努力に感謝しかない。
「VIVE Pro 2」残念ポイント
有機ELが採用されていない
非常に残念なポイントが「有機EL」が採用されていない点だろう。
今回のVRヘッドセット「VIVE Pro 2」は「液晶」が採用されている。
「有機EL」から「液晶」に変化したことにより黒色の表現が白っぽく表現されてしまうという、かなり痛いデメリットが出てしまっている。
私自身も非常に残念に感じるポイントで、3Dモデル空間上で昼の表現の時は正直問題を感じないのだが、
夜の表現の時に、黒の部分が少し白っぽく表現されてしまい、かなり悪い方向に目立ってしまう。
特にゲームをやるかたは気を付けなくてはならない、黒の表現が多いフィールドなどでVRによる没入感が削がれる問題が発生してしまう。
次世代のVRヘッドセットは是非「有機EL」を採用してほしいと、強く感じてしまった。
全てのコンテンツで5K120FPSが稼働できるわけじゃない
ゲームをメインでVRを使用する方は、注意しておかなければならないポイントがある。
それは「全てのコンテンツで5K120FPSが稼働できるわけじゃない」っという点だ。
様々なサイトでも確認したのだがRTX3090を積んだ自作PCでも、一部のVRゲームは5K120FPSで設定した際にカクついてしまうっという点が挙げられていた。
もちろん5K120FPSを出すこともできるゲームも多いが、一部そういったコンテンツがあるということは知っておいた方がいいだろう。
ただし、私のように仕事で使用している分には、全く感じることがなかったデメリットポイントだ。
全ての人にあてはまるデメリットではないということは理解しておこう!
レンズが楕円形になった
これは非常に賛否両論だ。
まず下の写真(VIEV Pro 2のレンズ写真)を見てみてほしい。
次にこちらの写真(HTC VIVEのレンズ写真)を見てほしい。
そうレンズが楕円形になっているのだ。
このことにより上下の画像表現が少し狭くなるっという影響を受ける。
120°の視野角を得るための処置と言えるのだろうが、これは正直、良いか悪いかの判断が難しい所だ。
私の感覚から伝えさせていただくと、フルフェイスのヘルメットから景色を見ているような感じになる。
まぁ、顔を多少動かすだけで視界に入れることも可能なので、あまりデメリットとしては上げたくなかった点なのだが、以外と気にしている方が多いようなので、一応挙げさせていただいた。
PCの推奨スペックが非常に高い
これは、かなりハードルが高い項目だろう。
メーカーサイトではGTX20シリーズ~と表記されているのだが、私の感覚ではRTX3080は最低限ほしいと思ってしまった。
処理能力もそうだが VRで重要なVRAMは非常に多く必要になる。
最低10GBは載せてあげたいところ、、、、
これはかなり出費が重なる。
【結論】万人にお勧めできない、ハイスペックなVRヘッドセット
メリット デメリットが5分5部といった結果になった「VIVE Pro 2」
仕事(クリエイター)目線から言えば正直十分なスペックではある。
がしかし、ゲーマーの目線からすると少しばかり辛口な評価となるだろう。
私の視点から買う人と買わない人に分けるなら以下のような感じになるだろう。
【買うべき人】
・初代HTC VIVEから乗り換えようと思っている方
・最新VR機器が気になる方
・クリエイティブ目時で使いたい方
【無理して買うべきではない人】
・すでに「VIVE Pro」or「VIVE Pro Eye」を持っている方
・初めてVRに触れようと思っている方
正直、無理してかうVRヘットセットではない。
恐らく 次に発売されるVRヘッドセットこそが、VRの大本命となりそうな気配がある。
2週間私が実機を使ってみた結果は以上だ。
レンタルも開始しているため、試してみたい方は是非、体験してみてほしい。